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ペットウサギのしつけ|飼育にトレーニングを導入する理由とその効果

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ペットのしつけは必要です。知ってる。では何故必要なの?そう聞かれたらあなたは答えられますか?芸を教える、飼育を楽にする、掃除をしやすくする。色んな答えがあり、それは間違いではありません。しかしもっと重要な意味がトレーニングにはあるんです。今回はウサギのトレーニング(しつけ)のやり方と、その意味を書こうと思います。

〈目次〉

トレーニングの必要性

そもそもトレーニングとはどんな意味があるんでしょうか?ただの人間のエゴでトイレの場所を絞ったり、人の娯楽のために芸を仕込んだり、見ようによってはそう見えてしまうかもしれません。

しかし、それは大きな勘違いです。確かに野生のウサギにはトレーニングは必要ありません。でも、ペットのウサギは野生ではありません。

家族です。家族のなかにもルールはありますよね?娘さんの入浴中にお父さんははいれませんよね?

ウサギにも同様に、人は噛んだら駄目、ソファーでウンチをしないなど、家族間でのルールを教えるという意味が一つ。

もう一つは野生にあって飼育下にはない刺激を与えるという意味があります。

野生のウサギには敵がいます。餌も自分で探さないと行けません。こういった刺激がないペットウサギは日々刺激もなくダラダラと過ごすことになります。

コレは健康上とっても良くないことで、寿命を減らしてしまう原因になるんです。トレーニングを行うことで生活の中に刺激を与える事ができ、精神的にも身体的にも健やかな状態が生まれます。

その為、ウサギを始め、ペットのトレーニングを行うことはとても大切なことなんです。

トレーニングに適した時期

基本的に親から離れれば大丈夫ですが、もっと早くに行ってもいいでしょう。

なるべく若い内から始めた方が覚えが早いですね。

離乳期~生後6か月の成長期のころがベストです。トイレトレーニングや、ハンドリングトレーニングを導入していきましょう。

余談ですが、馬は生後三時間ほどでトレーニングを始めていきます。

ふれあい施設のポニー立ち上がってすぐ人に抱きかかえられることで人に対する警戒心を抱かないようになります。これもトレーニングの一つです。

野生ウサギの習性

トレーニングをするにあたって、やはり無茶ぶりは良くありません。ウサギに逆立ちしてとお願いしても、手が届きませんし、握力も無いので体が支えられませんよね。

芸を教えるにしてもなんにしてもウサギが何処までのことが可能なのかを見定めましょう。

一番の基本になるのが野生のウサギです。生態や習性を理解すれば上手なトレーニングが出来るようになるでしょう。では、次の項目でいよいよトレーニング開始です。

ハンドリングトレーニング

体温、体重、怪我、爪のチェックなどでウサギを触る機会は必ず来ます。触られるのが嫌なウサギだとこういった健康チェックが困難になってきますのでハンドリングトレーニングは必要です。

しかし、いきなり抱っこはハードルが高い場合もあります。段階を踏み、可能な範囲でのハンドリングトレーニングを行いましょう。

  1. お腹とおしりを支える。この時、利き手がお腹側に来るようにすること。
  2. お尻を支えて引き寄せる。
  3. お尻を支えたまま飼い主さんの体に密着させる。

これが基本のハンドリング方法です。

ケージから出したい時やブラッシング、移動させたい時などに役立ちます。

次は仰向けでのハンドリングです。

  1. 上記の抱っこ方法で太ももに乗せます
  2. 背中とお尻を支えてウサギを立たせます
  3. 上半身を倒して仰向けに

この方法なら爪切りやお腹側のチェックが可能になります。

妊婦のウサギや呼吸器系の弱いウサギにはしないようにしましょう。

ハンドリングトレーニングの手順については以上です。

次はトイレトレーニングについてです。

トイレトレーニング

難しいイメージがあるトイレトレーニングですが、野生のアナウサギは穴の中でトイレの場所を決めて排泄しています。

この習性を利用して、トイレトレーニングを行えば意外と難しいものではありません。

では、以下手順を紹介します。

  1. おしっこの臭いが付いたものをトイレに忍ばせる
  2. おしっこしたそうな素振りを見せたら
  3. トイレでおしっこできたらたくさん褒める

これが基本の方法です。

褒める際は大声で褒めるのではなく、なるべく高い声で小さな声で褒めてあげましょう。

名前を呼んであげよう

褒める時に心掛けてほしいのは名前を呼ぶことです。何度も名前を呼ばれて褒められてくると、ウサギは自分の名前を覚えます。

呼ばれることがうれしい刺激に変わるんです。慣れてきたら声のトーンも意識してみましょう。

低い声や高い声を使い分けているとウサギも「低い声は怒ってるんだ・・・」と感情を読み取るようになります。

これを覚えさせておくと、悪い事と良い事の区別をつけるようになるのでトレーニングがしやすくなります。

とにかく褒める

良い事をした後はとにかく褒めましょう。よく、悪いことにばかり目が良く飼い主がいますが、良い事を褒めていかないとウサギも何が正解なのかわからなくなってしまいます。

むしろ怒ってばかりだとウサギに恐怖心を植え付けてしまうのでおすすめできません。

定着しても忘れることがある?

トイレを覚えたウサギでも、ふとした時に場所を間違えることがあります。

それを繰り返していくのを放っておくとせっかく定着したしつけが台無しになることがあります。間違えたら放置せず、また正しい場所を教えてあげましょう。

トレーニング・しつけの意識

トレーニングは飼い主とペットにとって大切なコミュニケーションの時間でもあります。だからこそ、その時間は楽しいものでないといけません。

時にはうまくいかない事もあるかもしれません。そんなときいっそのことトレーニングを終えることも大事です。長引かせ過ぎてしまうとお互いにつかれてしまいますし、楽しい時間という意識も薄れてしまいます。

引くときは引き、責める時は責める。これがトレーニングで大切な事だと思います。